蒼 穹
12. それは氷の間に埋まって、一見死んでいるように
「国際科学技術庁の人工衛星が制御不能になったおかげで、ふだんはカバーしてない地域のデータが送られてきた。国際機関のではない埋蔵物が確認され、電磁気の数値がおかしいので調査することになった」
「それがここだったというわけね」
「かつて、我々の任務は、基本、探査だった。ギャラクターのメカ怪獣の破壊は国連軍に任せたケースも多かった」
「そうだったわね」
「なかには完全に破壊されず、海底に沈んでしまったもの、険しい地形に阻まれて追跡しきれず、行方知れずになったものもあったらしい。つまり――これは我々が仕留めそこなったギャラクターのメカではないかと。それで俺は、調査を引き受けたんだ」
「電磁気異常があるということは、まだどこかが生きていると――」
「そうなんだ。こういうことは俺より、ジュン、おまえの方が詳しいからな。だから来てもらった」
それ――埋蔵物――は、氷の間に埋まって、一見死んでいるように見えた。通気口らしき場所をこじ開けて、中に入ることはできたが、非常灯もついていない。真っ暗だった。頼りはヘッドランプの灯りだけだ。ふたりとも防寒着に着膨れている。
「――ちょっとぞっとしないわね」
「まったく。だが、ギャラクターのメカはだいたいどれも造りがいっしょだ」
「そういえば」
「勝手知ったるなんとかさ。幾度となくメカに乗り込んだ俺たちは、どこになにがあるのか、体が覚えている。国連軍ではそうはいかないだろ」
「さすがねーケン!」
「それにしても……広いな。大きいというべきか。外からは一部分しか見えなかったが、もしかしたら怪獣ではなく、基地かもしれない」
「ええ。そうだったとしても対応できるように、甚平と竜に機材を頼んだから、そのうち届くはず――あ――」
「どうした?」
「電磁気カウンターが。急に数値があがったのよ。なにかしら――どこから――」